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2010年3月27日 (土)

荻窪ぶらり散歩

   ☆大人のための散歩・散策コースを二つ紹介。

    ▽荻窪の散歩コース(1)=歴史と文化の散歩道

    ▽荻窪の散歩コース(2)=川と緑の散歩道

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  (荻窪の散歩コース=1

   **** ぶらり散歩で歴史と文化に触れる ***

  明治・大正・昭和の歴史と文化に触れる静かな住宅街の散策。

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  ※ 歩く距離は約5キロ。立ち寄る時間を含めて約2時間。

            起点=荻窪駅南口。 終点=荻窪駅西口。

:                                 

 荻窪駅・南口---明治天皇御小休所跡---西郊ロッジング---原水爆禁止

  運動発祥地・オーロラの碑----中央図書館(阿佐ヶ谷文士村展示)----

 ガンジー像--読書の森公園----かつら文庫(石井桃子邸)--- 大田黒公園

 大田黒元雄邸---幻戯山房角川源義邸)---荻外荘近衛文麿邸--

  --田河水泡邸跡--恩地郎邸--忍川下橋---春日橋---環八(横断)--

  --与謝野公園(与謝野晶子、鉄幹邸跡)---光明院(荻寺)---白山神社-

  ---棟方志功邸跡---荻窪駅・西口 

        ☆青字は内部に立ち寄れる場所=無料  <トイレあり>

 2017年現在、荻外荘公園は南側の庭にだけ入ることができる

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Rimg00339_2 <クリックで拡大・印刷可>

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参考>

 ・荻窪にゆかりのある著名人=「天沼尚和会HPより」

  http://www.amanumashowakai.com/ogikubo_f.html

 ・駅からハイキング(荻窪=約12キロ。 Youtubeより

    映像の前半に散歩コース(1)と重なる部分あり。

 http://www.youtube.com/watch?v=YFLjc-zUV_w

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   (荻窪の散歩コース=1<散歩・順路>

(1)荻窪駅南口を出ると、仲通商店街のアーケードが見える(写真・右)。

  そこを入って最初の角(クロダ薬局手前)を左折する。百メートルほど先の信号を渡

  れば、あとは中央図書館までまっすぐである。

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<明治天皇御小休所跡> 

(解説)

 建物は江戸時代に建てられた長屋門で、明治16年、明治天皇行幸のさいに小休止した場所。戦前は史跡指定。以前は東の横 道に面していたが、高層ビル建設時に現在の場所移された。

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<西効ロッジング>

 (解説)

  昭和6年に開業された賄いつき高級下宿。その後、割烹旅館として営業され、「荻外荘」が近かったことから軍人なども多く利用したという。現在は旅館と賃貸住居をかねている。一時、作家の原審爾が住所にしていたらしい。

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<オーロラの碑=原水爆禁止運動発祥地>

(解説

 昭和29年、ビキニ環礁での水爆実験(第5福竜丸で知られる)を発端に、この地にあった公民館を拠点に原水爆禁止運動の署名が始まり、やがてその運動が日本全国、そして世界へと広がった。原水爆禁止運動の発祥地である。

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(2)中央図書館(黒川紀章設計)の入口を入ると正面に階段があり、

   そこを上がると阿佐ヶ谷文士関連の展示がある。 

   ガンジー像は庭の西・読書の森公園側の休憩場所にある。

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<中央図書館・各種展示=2階>

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<中央図書館・ガンジー像>

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<隣の読書の森公園へ>

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(3)読書の森公園を出て、来た道を戻り、西郊ロッジングの裏塀の手前

  で左折。やがて右側にかつら文庫が見える。

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<かつら文庫=石井桃子邸>

(解説)

 「ノンちゃん雲にのる」の著書や「星の王子さま」、「くまのプー さん」、「トムソーヤ」、[うさこちゃん」などの翻訳で知られる児文学の作家・翻訳家の石井桃子が、自宅を開放して作った児図書館。太宰治が思いを寄せていたとしても知られる。101歳で逝去。

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(4)かつら文庫前を直進し、つきあたりを右折。その先の道を左折すれ

  ば左手に大田黒公園の門が見えてくる。

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<大田黒公園>

(解説)

 音楽評論家であり、NHKの「話の泉」などで活躍した大田黒元雄の約3千坪弱の私邸が杉並区に寄付され、日本庭園として公開。緑豊かな敷地内には、茶室、池、記念館などがあり、美しい紅葉で知られる。記念館は荻窪音楽祭のコンサート会場にもなり、内部では19世紀に作られたピアノ(スタインウエイ)を見ることができる。

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::

<紅葉の頃=毎年11月下旬から12月初旬・ライトアップあり>

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(5)大田黒公園南(緑化園前)の信号を左折。突き当りを右折して十字路

   を横切り、静 かな住宅街をまっすぐ行けば、幻戯山房の案内が出て

   いる。そこを曲がれば百メートルほど先の右手が幻戯山房だ。

 

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<幻戯山房・角川邸>

(解説)

 俳人であり、角川書店創立者であった角川源義の家が「幻戯山房・すぎなみ詩歌館」として開放された。角川春樹・角川歴彦(現・角川グループ社長)・辺見 じゅん(作家)らが育った場所で、その一室が創設時の「角川書店」だった。庭の片隅に水琴窟がある。

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: 

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(6)幻戯山房を出たら元の道に戻り、左折して坂を下る。左手にコンビニがあ

るので、右手の自動販売機が置いてある細道を曲がる。「荻窪二丁目アパート」

が左に見える。次の角を右に曲がって坂を上がる。

<左手に「荻窪二丁目アパート」。大きな木の手前、次の角を右に曲がる>

 2015年、突き当りに庭の入口ができた。

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<坂を上がる。荻外荘の裏道・>

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<杉並区の保護樹林>

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    静かな住宅街を抜けて突き当りを左折。次の十字路を左折すると、やがて

  マンションが見え、その隣の門に「近衛」と書かれた表札が見える。先ほど

  上がってきた坂が荻外荘の裏手なので、表は狭いように見えるが奥が広い。

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<荻外荘・近衛文麿邸>=「国指定史跡」に決定

解説)

 昭和12年、大正天皇の侍医であった入江達郎邸を公爵近衛文麿が買い取って別荘とした。元老西園寺公望が「荻外荘(てきがいそう)]と名付ける。近衛文麿は昭和12年より第34代、38代、39代と3回に渡って総理大臣を勤め、日常をここで暮らした。盧溝橋事件からはじまる日中戦争、その後の日米開戦、そして終戦へと続昭和史の中心となった場所で、松岡洋右・東条英機・吉田善吾らと国策を協議した「荻窪会談」などで知られる。

 また、 連合艦隊の山本五十六が、日米が戦ったらどうなるかを近衛から問われ、「初めの半年や1年は大いに暴れてご覧にいれますが、2年、3年は確信もてません」と応えたのもこの場所である。 

 なお、戦後、吉田茂は近衛が自殺した部屋でしばらく寝泊りをしていたという。  

 

=現在、建物内部は見られないが、2018年に荻外荘公園 して整備・公開される予定。(2015年3月・南側庭が暫定開園された)。 

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<2015年3月・荻外荘公園・南側庭だけが暫定開園された

 =かっては深い緑に囲まれた静かな池があったが、今は明るい芝生

 のへと一変した。

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<荻外荘表門前から春日橋方面を見る=左手のマンション辺りも

 荻外荘の敷地だった>

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(7)荻外荘の前の坂を下ると十字路がある。すぐ先に春日橋が見えるが、

  十字路を右手に曲がって坂を上がると、左手に田河邸跡と恩地邸が並

  んでいる。

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<田河水泡邸跡=いまは当時の敷地に別人の家(K邸とU邸)が建つ>

(解説)

 昭和初期、圧倒的人気を誇り、大ブームを呼んだ漫画「のらくろ」の作者。漫画の先駆者である。この地から育って、後に活躍した弟子も多い「サザエさん」の長谷川町子、「あんみつ姫」の倉金章介、山根赤鬼、山根青鬼、杉浦茂、滝田ゆう、ほか多数。

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<恩地孝四郎邸>

(解説)

 版画家であり装丁家でもある。版画のジャンルを確立した人で、萩原朔太郎の「月に吠える」、「北原白秋全集」の装丁など有名。

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(8)道をまっすぐ進み、次の十字路(写真のT邸の門前)を左に曲がって、

   直進すると、善福寺川にかかる「忍川下橋」(おしかわしもはし)に出る。

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: 

(解説)

 江戸時代、このあたりは服部半蔵(伊賀の忍者出身)の知行地だったので、現在も橋の名に「忍」の字が残っている。上流に「忍川橋」がある。

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(9)忍川下橋を渡って川沿いの遊歩道を下ると、次の橋が「春日橋」。荻外荘

  の下にあったドンドン(分流の堰)は釣りの穴場と井伏鱒二の「荻窪風土

  記」に書かれている。橋から見ると、下流左手の小公園手前に堰があった。

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(10)春日橋を西に向かうと、やがて荻窪区民センターが左に見え、しばらく進む

   と環八に出る。信号を横断し、ふ たつめの角を右折すると与謝野公園が

   左手に見える。

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<与謝野公園=与謝野晶子、鉄幹邸跡>

(解説

 与謝野晶子は歌集「みだれ髪」や「源氏者物語」の現代語訳などで知られ、情熱的な歌を作り、浪漫派歌人といわれた。婦人参政権を唱え、文化学院の創立にも加わった。夫の鉄幹と暮らした場所で、近くの桃二小学校の校歌の作詞者でもある。

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 <以下を省略し、環八の「荻窪4丁目」バス停から荻窪駅に戻ることもできる>

(11)与謝野公園の前の道を北に進み、住宅街を抜けて東電前の交差点

   に出たら、環八沿いの緩やかな坂を北に進む。(以下の道〉

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 正面、JR線路のすぐ手前の角を左折し、右手の石塀(内部は墓地)に沿って

西に進む。やがて石塀が途切れた右手の道路先に、小さなトンネルが見える。

トンネルを目指して右に曲がる。(以下の写真。見落とさぬように注意)

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 そのトンネル(線路の下を通る)を抜けると、「慈雲山荻寺光明院」の境内に出る。

  敷地を横切って中央線が敷設されたため、墓地と境内が線路で分離された。

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<光明院・荻寺>

(解説

 和銅元年(708年)に、行者がこの地に草堂を作り、行基作の仏・千手観音像を安置し、荻堂「荻寺」と名付けたといわれる。「荻窪」の地名発祥由来の寺。鐘楼の脇に荻がわってる。「荻窪の観音様」の名があり、境内に本堂、六地蔵、梵鐘、閻魔堂などがある。

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 <荻窪の「荻」>

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  <光明院表門から白山神社方面へ>

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 光明院の表門を出て、線路を右手に見ながら荻窪駅方向にしばらく歩くと、

左側に白山神社の参道入口が見えてくる。

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<白山神社>

(解説

 文明年間(1469--1486)に関東管領上杉家の家来中田氏が社殿を建てたことが始まりといわれる。昔は「歯の神様」として知られ、秋の祭礼の「女みこし」は有名である。

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 参道の途中、道路が横切る脇に棟方志功邸跡がある。緑の生垣も、静かな佇

まいの日本家屋も今はなく、当時の面影を伝えるものは残念ながらまったく残っ

ていない。昭和50年頃まで住んでいたが、どこまで敷地だったか定かではない。

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<棟方志功邸跡>

(解説)

 世界的に著名な画家・木版画家。仏を題材にした作品が多く、「阿弥陀如来像」などが有名。文化勲章の受章者。国際版画大賞など数々の賞を受け、青森出身の素朴で明るい独特な人柄が多くの人に慕われた。

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 白山神社の前を東(商店街方向)に歩き、タウンセブン手前を右に曲がると、

 荻窪駅西口に出る。約2分ほど。

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▽時間に余裕があれば、井伏鱒二、太宰治など文豪の旧宅を回るのもよい。

 

 ・太宰治の荻窪住居(地図あり)=「東京紅團HPより」

        下のURL参照。     碧雲荘の地図も含む。(碧雲荘は大分県へ移築決定)

 

  http://www.tokyo-kurenaidan.com/dazai-ogikubo2.htm

 

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  (荻窪の散歩コース=2)

*

     <善福寺川緑地公園と和田堀公園を歩く>

  

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=

  自然に満ちたウォーキングを望む方には、善福寺川に沿って下流に歩き、善福寺川緑地公園・和田堀公園・大宮八幡宮に至るコースをお勧めする。

 散歩コース(1)で紹介した途中の春日橋から向かってもよいし、幻戯山房から出た坂を下った先の渓(しょうけい)橋から向かってもよい。

 川沿いの遊歩道を歩けば、やがて善福寺川緑地公園、そして和田堀公園へと緑の木々を抜ける爽やかなコースとなる。

 特に桜の季節(4月上旬ー下旬)と紅葉の時期(11月中旬ー12月初旬)が美しいが、緑の季節も、冬の木漏れ日の中を歩くのも気持ちが良い。

 荻窪駅から大宮八幡宮まで距離は約6キロ。大田黒公園に寄り、善福寺川緑地公園・和田堀公園での休憩時間を入れても、約2時間半ー3時間程度。 

 

                           起点=荻窪駅南口。

             終点=大宮八幡宮。(徒歩で永福町駅へ)

                        (またはバスで、新宿駅・中野駅・高円寺駅・阿佐ヶ谷駅へ)

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      ◎荻窪駅南口---大田黒公園---善福寺川緑地公園---

           ---和田堀公園---大宮八幡宮---バス停・大宮町

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      このコースは杉並のウォーキングコースとしてよく知られおり、各種の本に

    紹介されている。1年中、中高年をはじめ多くの人が訪れる。

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 春の風景=   (「善福寺川緑地の花見・以下を参照のこと。地図あり)

             http://oyajioyaji.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-ca0a.html

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 秋の風景=    (「善福寺側緑地の紅葉」・以下を参照のこと)

              http://oyajioyaji.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/post-821c.html

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 <ぶらりと歩けば>

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 数十年(約半世紀)も昔のことだが、学生時代にデパートの配達のアルバイトをやっていたおかげで、地元の著名人の家を訪ねる機会が何度かあった。玄関先や勝手口で待ちながら、本人に荷物を直接渡せるだろうかと胸を高鳴らせたが、残念ながら、一度もそのようなことは起こらなかった。それでも、その人の暮らす空気感のようなものを多少とも感じ取ることができたものである。すでにそれらの著名人はほとんど故人となったが、いまでは住んでいた事実すら知らない人が多くなっている。

 荻窪の住人といえば井伏鱒二、太宰治、与謝野晶子などが有名だが、他にも著名人は沢山いる。まず駅の北口だが青梅街道沿いに徳川夢声の家があった。若い人はその名を知らないだろうが、活動弁士であり、ラジオの「話の泉」やテレビで活躍したマルチタレントの元祖である。正確に覚えていないが、家は荻窪ラーメンで有名になった「春木屋」の斜め向かい、現在の勧業ビル辺りだった。青梅街道側が板塀になっており、和風のくぐり戸を抜けて荷物を届けた記憶がある。版画家の棟方志功の家は西口に近い白山神社の横にあった。神社の参道側に緑の生垣があり、交差した細い道路に面して玄関があった。それほど広くない家だったが、人柄が想像できるような落ち着いたたたずまいだった。

 漫画「のらくろ」で有名な田河水泡の家は、南口の荻窪高校の校庭を南に向かった坂の途中にあった。「サザエさん」の長谷川町子が弟子として暮らしていた家である。隣が版画家の恩地孝四郎の家だった。最近では向かいの高級賃貸住宅にプロ野球のカブレラ(当時=西武ライオンズ)が住んでいた。その坂を下って左折すると、坂を上がった角に戦時中三度にわたって総理大臣を務めた近衛文麿の別邸・荻外荘(てきがいそう)がある。「荻外荘会談」をはじめ大戦時の重要な話し合いは、ほとんどここで行われたという。「米もし戦わば・・」を山本五十六元帥と議論したところであり、当時の閣僚や軍人が日夜集い、戦時情勢や国策を論議した場所かと思うと感慨深い。敗戦後に近衛文麿が自殺したのもここである。その隣(今はマンンション)に昭和30年代までNHKの社員寮があり、紅白歌合戦の司会などで知られた宮田輝アナウンサーが住んでいた。

 この辺りは荻窪でも一等地として知られ、かつては敷地千坪を越える屋敷が多くあったが、いまではその数も少なくなった。その名残といえば同じ道路沿いにある音楽評論家の大田黒元雄邸(大田黒公園)だ。この辺りは建物の高さ制限がある環境保全地域で、大きな木や緑が多く、コゲラなどの野鳥の姿をときどき見ることができる。すぐ近くにあるのが児童文学者で翻訳家の石井桃子の家(かつら文庫)。「ノンちゃん雲に乗る」、「クマのプーさん」、「ちいさなうさこちゃん」をはじめとする数々の絵本は、誰もが一度はお世話になったはずである。俳人で角川書店の創立者である角川源義(角川春樹・暦の家は、荻外荘の東側百メートルほどの場所にある。昨年から「幻戯山房」と名づけられて一般公開されている。

 荻外荘の前の坂を下って西に向かうと、春日橋があるが、ここは井伏鱒二が「荻窪風土記」に『荻外荘の下手のドンドンで釣りをした』と書いてあった場所で、昔はここの下流に堰(今は小さな公園への分岐点)があり、夏には子供たちが泳いでいた。太宰治と釣りをしたのはもっと上流の中央線のガード下のほうが多かったらしい。井伏鱒二の家は清水町にあり、太宰治は天沼に住んでいたので、駅の北側の住人である。また、向田邦も昭和30年代後半に天沼に住んでいたという。

 道をさらに西に進んで環八を横切り、しばらく進むと左手に「北国の春」、「高校三年生」、「からたち日記」などのヒット曲を生んだ作曲家遠藤実の家があった。その手前の右に曲がった先にある与謝野公園(旧南荻窪中央公園)が、「みだれ髪」などで知られる歌人与謝野晶子鉄幹が住んでいた跡である。現在、建物は何もないが当時の書斎は京都の鞍馬寺に「冬柏亭」として残っている。二十年ほど前、鞍馬から貴船へと歩いたことがあったが、荻窪の住居がこのような山の中に移設されていたのかと驚いたことがあった。与謝野公園から道をふたつ隔てた幼稚園の裏に、俳優の菅原文太が一時住んでいた。

 さらに環八を南に向かった荻窪二丁目の中道寺の横に、「いつまでもいつまでも」、「別れても好きな人」などの作曲家・作詞家佐々木勉の家。数軒離れた並びにTBSアナウンサーだった雨宮塔子の家があった。また、荻窪にはノーベル賞受賞者がふたりいるが、北の下井草には小柴昌俊の家。南の荻窪一丁目・西田小学校の並びには朝永振一郎が住んでいた。ふたりとも同じ物理学賞を受賞した師弟関係である。

 荻窪をぶらりと歩けば、他にも著名人の足跡に触れられるが、もちろん標識は何もないのでほとんどの人が気づかないはずだ。地方なら観光や町おこしのために力を入れるだろうが、都会では混雑して迷惑してはいけないので避ける傾向にある。現在でも著名な作家・俳優・音楽家・芸術家などが控えめに暮らしているので、住人らが困ることになってはいけない。だが、歴史的に重要な場所には小さな標識くらい残してほしいと思うが、それも一長一短だろう。

 とにかく、そんなことは考えず、さりげなくぶらりと散歩する程度が荻窪には相応しいのかもしれない。

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大田黒公園(荻窪)

  • Rimg0065
    音楽評論家の大田黒元雄の旧邸を日本庭園として整えた公園。荻外荘(近衛文麿邸)にも近く、坂を下ると井伏鱒二が釣りをしたという善福寺川の橋周辺に至る。さらに環八を越えれば与謝野晶子邸跡(南荻窪公園)にも近い。また、すぐそばには故石井桃子宅(かつら文庫)もある。

善福寺川緑地(荻窪・阿佐ヶ谷)

  • Rimg0030
     都内の散策コースとしても有名な善福寺川緑地。約600本の桜並木が川沿いに続くお花見の名所です。最寄り駅は中央線(荻窪、阿佐ヶ谷)、または井の頭線(浜田山)が便利。秋の彩りも夏の緑もウォーキングには最適。隣の和田堀公園は井の頭線(永福町)が近いです。  

礼文島と利尻島

  • 利尻山・利尻富士
    2008年6月16日ー20日。礼文島のトレッキングは 桃岩遊歩道・北の4時間コース・礼文林道と礼文滝。 利尻島はレンタカーで一周。

鶴の湯・秋田駒ケ岳

  • Dsc000739
    花の名山と秘湯を巡る旅。2007年7月12-14日。

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